カリキュラム

講義内容について

介護職員初任者研修の取得には、厚生労働省が定めた10のカリキュラムがあり、合計130時間をスクーリング(通学)により習得していきます。
実技演習も多く含まれ、講師の手本となる動きを参考に、受講生同士で演習を行なうなどしていきます。

1.職務の理解(6時間)

介護保険で定められた様々なサービスや、介護職員としての仕事内容について学びます。受講することで、初任者研修修了後の具体的な働き方などがイメージできるでしょう。一番初めの科目のためオリエンテーションと共に実施されることが多いです。

2.介護における尊厳の保持・自立支援(9時間)

人権や個人の尊厳を守ること、虐待の防止やQOL(生活の質)などについて理解を深めます。また、介護サービスを提供する際に大切な自立支援の考え方や介護予防についても学びます。

3.介護の基本(6時間)

介護職の役割や専門性、職業倫理、介護を行う上でのリスクマネジメント(事故予防など)について学びます。介護を取り巻く環境やどのような介護が求められているのかなど、実際に介護職として働いた際に役立つ知識を身につけられます。

4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携(9時間)

介護保険制度の創設から保険制度の仕組み、医療やリハビリテーションとの連携について学びます。介護を行う上で他業種との連携は欠かせません。介護に関わるさまざまな制度や医療との連携について理解することで、専門用語の飛び交う現場でも対応できるようになります。

5.介護におけるコミュニケーション技術(6時間)

要支援、要介護者やそのご家族とのコミュニケーションの取り方、スタッフ同士のコミュニケーションの大切さについて学びます。介護の仕事は利用者さんやそのご家族、一緒に働く介護スタッフとのコミュニケーションが欠かせません。実際の現場で活用できるよう、グループワークなどを用いて学習します。

6.老化の理解(6時間)

高齢による心や体の変化と日常生活への影響、高齢者に必要な健康管理や病気などについて学びます。利用者の加齢による日常生活への影響を理解し、適切なサポートをするためにも重要な項目です。

7.認知症の理解(6時間)

医学的な側面からの認知症に対する理解や健康管理、認知症が原因で起こる心の状態や行動の特徴について学習します。また、認知症患者だけでなくそのご家族の介護負担軽減などのサポートも必要なため、家族支援の仕方についても学びます。

8.障害の理解(3時間)

障害の概念や障害福祉の基礎知識、心理や行動の特徴などについて学びます。本人へのかかわり支援だけでなくご家族の心理についても理解し、適切なケアの仕方を身につけます。

9.こころとからだのしくみと生活支援技術(75時間)

最も多くの講義・実習時間があてられている項目です。人体の構造や機能を理解し、安全に介護サービスを提供するための知識や技術を習得します。主に生活と家事、居住環境整備、整容、移動、移乗、食事、入浴など日常生活で必要な介護技術を演習形式で学びます。

10.振り返り(4時間)

すべての講義演習を終え、研修全体を振り返ります。介護従事者として就業に向かう備えや継続的な研修の必要性などについて学びます。この振り返りの後に修了試験が実施されるため、これまで学習した内容をしっかり復習しましょう。

実技演習の内容

ベッドメイキング、体位交換

必要な用品を揃え、ベッドを作業しやすい高さに調整しベッドメイクを行います。ベッドメイクではしわにならないようしっかりとシーツを伸ばし、サイドが三角形になるよう整えていきます。体位交換はベッドで仰向けになった状態の対象者が起き上がりやすくなるように行います。対象者の腕を組み、足を曲げて横向きに体位を変えます。そして足をベッドから出し、肩を支えながら起き上がってもらいます。

衣類の着脱

椅子に座り、片マヒになった状態の対象者の衣類の着脱を行います。衣類を着る時は麻痺している腕から袖を通し、脱ぐ時は麻痺していない方の腕から袖を外します。ズボンを下げる時は、座ったままの状態からお尻をずらしながら下げていきます。ズボンを着せる時も同様に、お尻をずらしてズボンを上げていきます。

排泄の介助

片マヒの状態の対象者をポータブルトイレへ移乗します。ベッドで端座位の状態からポータブルトイレの手すりに掴まり、介護者が身体をサポートした状態で立ち上がってもらいます。ポータブルトイレの前まで移動し、ズボンを下げポータブルトイレに座ってもらいます。排泄をしている間はひざかけを掛けるなど、排泄をしている部分を隠す配慮も必要です。

食事の介助、口腔ケア

食事と水分をとる介助をします。食事ではメニューを説明してから口に運んでいきます。対象者がしっかり噛んで飲みこんでいるかを確認しながら、次の食事を口に運びます。水分は対象者が咳きこまないよう、少しずつ口に運んでいきます。口腔ケアでは口腔ケア用のブラシを使います。ブラシの水分は少なめにし、声をかけながら口の中を綺麗に磨いていきます。

歩行、移乗の介護

片マヒの状態の方を対象者とし、ベッドで端座位の状態から車いすに座ってもらいます。マヒしていない方の手で車いすに掴まってもらい、介護者は立ちやすい足の位置を確認した後車いすへと移乗介助します。車いすに座った後は、座り心地の確認を行います。

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